Letter 白化したサンゴでみられる従属栄養の可塑性と回復力 2006年4月27日 Nature 440, 7088 doi: 10.1038/nature04565 海水温の上昇に起因する大規模なサンゴ白化現象は、過去数十年にわたって熱帯海域の至るところでサンゴ大量死を招いてきた。地球温暖化が持続すれば白化現象の頻度や深刻度が増大すると予想され、今後数十年以内に世界全体で最大60%のサンゴが死滅すると考えられる。サンゴの中には白化から回復して生き延びることのできるものがあるが、こうした回復力の基盤となる仕組みはほとんど解明されていない。今回我々は、白化からの回復および回復力に宿主であるサンゴが重要な役割を果たしていることを示す。白化から回復しつつあるコモンサンゴ属のMontipora capitata(枝状)は、摂食率やCHAR(従属栄養で得られた炭素の、動物の1日の呼吸量に対する寄与度を百分率で表した値)を著しく増大させることによって、1日の代謝エネルギー必要量の100%以上を得ていたが、ハマサンゴ属のPorites compressa(枝状)やPorites lobata(塊状)ではこうしたことはみられなかった。これらの知見から考えると、白化と回復に際して高いCHAR値を発揮できるサンゴ種は、形状に関係なく長期にわたる白化現象に対する回復力が高く、サンゴ礁での優占サンゴ種となる可能性があり、白化を被っているサンゴ礁を将来起こりうる地域的・世界的な絶滅から守るのに役立つかもしれない。 Full Text PDF 目次へ戻る