Letter 獣疫学:広範囲に及ぶアナグマ駆除がウシの結核に及ぼすプラスとマイナスの影響 2006年2月16日 Nature 439, 7078 doi: 10.1038/nature04454 ヒトや家畜の疾病は、感染が野生生物集団において持続している場合には、制御が困難である。ウシ結核(TB)の病原体であるウシ型結核菌(Mycobacterium bovis)のウシへの感染拡大を制限する一連の試みにおいて、英国政府は30年の間にヨーロッパアナグマ(Meles meles)を何回か駆除してきた。これらの努力にもかかわらず、ウシにおける結核の罹患率は絶えず上昇しており、英国の畜牛産業にとっての主要関心事として再浮上しつつある。近年、アナグマ駆除について議論が引き起こされているが、それは複数の研究(使用した実験方法は異なるが)において、アナグマ駆除区域でウシの結核罹患率が著しく減少したという結論と増加したという対照的な結論が得られたためである。そのため、科学的な管理政策を立てる試みに混乱が生じている。今回我々は、大規模な無作為野外実験の結果を使って、過去の実験における結論の見かけ上の相異を解決することを試みた。そして、この野外実験を実施した際には、アナグマ駆除区域では駆除によってウシの結核罹患率が減少したが、隣接区域では罹患率が増加していたことを示す。これらの知見は、生物学的には従来の研究と一致するが、政策展開に関しては難問を提供することになろう。 Full Text PDF 目次へ戻る