Letter

化学:イオン性液体の蒸留と揮発性

Nature 439, 7078 doi: 10.1038/nature04451

イオン性液体(すなわち低温溶融塩)であることの本質的な特徴は、測定可能な蒸気圧を示さず、それゆえに蒸留できないことであると広く考えられている。今回我々は、これが事実無根であり、多くのイオン性液体が低圧で分解せずに蒸留できることを実証する。イオン性液体はイオンだけから構成される物質の典型であり、したがって不揮発性物質であると考えられている。この10年間でイオン性液体の分野への関心は急速に増大し、新しい化学・抽出プロセス、燃料電池、新しい複合材料の創出に関する多くの知的・技術的な課題と機会が生み出されている。これらの可能性の多くは、当然とされているイオン性液体の不揮発性という性質のうえに立つものだ。しかしこの特徴ゆえに、イオン性液体は気相プロセスでの使用が度外視されるばかりでなく、(ほとんど揮発しない成分を含む場合には)リサイクル計画においてイオン性液体の高純度化が非常に実現しにくくなりかねない。我々は、一般的に使用される非プロトン性イオン性液体から数種を選んで、それらが200〜300℃かつ低圧で蒸留可能であり、またかなりの量の純物質を回収できることを実証した。これにより、現在イオン性液体が度外視されている用途への使用が現実化するのではないかと考えられる。

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