Letter 植物:海洋性の浮遊細菌と古細菌の間でのプロテオロドプシン遺伝子の水平伝播 2006年2月16日 Nature 439, 7078 doi: 10.1038/nature04435 海洋の太陽光線が届く深さの層(有光層)では、浮遊細菌、古細菌、および真核生物が光の影響を強く受けながら生息し、競争している。この環境内の細菌は、プロテオロドプシンとよばれる光反応性タンパク質をもつことが最近明らかにされた。プロテオロドプシンは、細胞膜を横断する光駆動性のプロトン輸送を触媒することによって細胞のエネルギー代謝に寄与すると考えられている。これまで、プロテオロドプシン遺伝子の存在が立証されているのは、プロテオバクテリアおよびその他のいくつかの細菌群だけだった。本論文では、海洋の上部水柱に生息するテルモプラズマ目に属する古細菌でのプロテオロドプシン遺伝子の存在および分布について報告する。古細菌およびプロテオバクテリアのプロテオロドプシンのゲノム内での存在状況および系統学的関係からは、浮遊細菌と古細菌との間に水平伝播が生じた可能性が考えられる。有光層に存在するユーリ古細菌のほぼ10%では、プロテオロドプシン遺伝子はリボソーム小サブユニットのRNAに隣接して存在していた。この系統でも、別の系統でも、古細菌のプロテオロドプシンはゲノムの別の領域にも認められた。ユーリ古細菌は上部水柱全体に分布していたが、プロテオロドプシンは有光層でのみ見いだされた。プロテオロドプシンの全世界的な系統的分布は、光に依存した適応にプロテオロドプシンの寄与が大きいことを反映している。こうした光依存的な適応への寄与がプロテオロドプシン遺伝子の水平的獲得および維持を押し進める一方で、その分散を有光層に限定しているのである。 Full Text PDF 目次へ戻る