Letter

遺伝:真核生物遺伝子の発現にみられる外因性変動の起源

Nature 439, 7078 doi: 10.1038/nature04281

細胞のクローン集団内での遺伝子発現の変動は、変異や進化、細胞運命の決定、遺伝病の発生など、多くの重要な現象に関係している。最近の研究によって、発現変動の重要な要因は、複数の遺伝子に同時に影響するとみられる外因性因子によって生じることが明らかになっているが、このような外因性変動の生物学的起源についてはほとんど関心が払われていない。今回我々は、酵母(Saccharomyces cerevisiae)を使い、複数のプロモーター-遺伝子挿入物によって生じる蛍光のデータとコンピューターによるモデル作製とを用いて、発現の外因性変動の重要な起因2つを明らかにした。1つは、個体群動態と遺伝子発現との連動からくる避けがたいもので、これが発現の変動にあまねくみられる下限につながる。もう1つは、上流に共通して存在する1個の転写因子から生じるようにモデル化されるもので、上流にある調節因子の発現のノイズを、調節ネットワークが標的遺伝子の出力の外因性ノイズへと変換する仕組みを示している。今回の結果は、細胞の多様性の起源を解明する際の、遺伝子調節ネットワークと集団の不均一性との相互作用の重要性をはっきりさせている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度