Letter 進化:オーストラリアの漸新世-中新世の地層で見つかったMacrostomata類に入らない大型ヘビ類Yurlunggurの頭骨 2006年2月16日 Nature 439, 7078 doi: 10.1038/nature04137 トカゲ類からのヘビ類の派生と初期進化の解明は、原始的系統の頭骨形態を正確に把握できるかどうかにかかっているが、古いヘビ類の化石標本は数が非常に少なく、しかも周囲の堆積物による圧縮作用のために断片的であったり研究がむずかしかったりする。オーストラリア産の新生代の化石ヘビ類のいくつかは、絶滅分類群のMadtsoiidae科だと判断できる脊椎形態をもっている。この科は白亜紀中期(セノマニアン)から始新世にかけてゴンドワナ大陸に広く分布しており、白亜紀後期にはヨーロッパにも達していた。生息年代がこれほど長いにもかかわらず、頭骨化石は最もよく知られるWonambi naracoortensisという種でおよそ半分の部分しか見つかっておらず、他の種で知られる少数の頭蓋骨成分では、系統発生上の類縁関係に関するこれ以上の証拠はほとんど得られていない。これらの化石ヘビ類の類縁関係と進化上の重要性については対立する説が出されている。多くの祖先(オオトカゲ類様もしくはモササウルス類様)の形質をもつ原始的なヘビ亜目に入るとする説と、ヘビ類の起源と関連性の薄いより進化したヘビ下目(のMacrostomata類)に入るとする説である。今回、オーストラリア北部の漸新世後期と中新世前期の地層から見つかったYurlunggur属の2つの部分骨格を報告する。これらを合わせると、ほぼ完全な頭骨と下顎になる。保存状態のきわめて良好なこれらの頭骨は、YurlunggurとWonambiやMadtsoiidae科の他の種を関連づける新たな証拠となり、Madtsoiidae科がMacrostomata類に入るとする仮説への反証となるもので、すべての現生へビ類を含むクレードにMadtsoiidae科が入らないことの裏づけになる。 Full Text PDF 目次へ戻る