Letter

気候:マルチモデルアンサンブルによる気候の季節予報に基づくマラリアの早期警告

Nature 439, 7076 doi: 10.1038/nature04503

マラリア流行に対する対策は国際的な保健衛生に携わる人々にとって優先的な課題であり、流行の早期発見と流行を実効的に抑え込むための特定の目標について合意が得られている。気候によって、媒介昆虫である蚊の動態と寄生虫の生育速度の両方が影響を受けるアフリカの複数地域では、気候の年ごとの変動が流行を決定づける重要要因となる。したがって、流行の起こりやすい地域では気候の季節予報が適切に行われれば、マラリア流行リスクの変化を早期に警告できる可能性がある。本論文では、ヨーロッパで開発された先端的な全球大気海洋結合気候モデルを用いて、力学ベースで季節ごとの時間スケールでのマルチモデルのアンサンブル予報を行い、それによってマラリア発生率の異常な高低を予測するシステムの構築について論じる。この予測システムを、マラリアと気候変動の関連が実証されているボツワナでマラリアのリスク予測に使ったところ、うまく働くことがわかった。降水量の観測結果に基づくマラリアのリスク警告に比べて最大で4か月早く警告ができ、確率的な予測能力は同じくらい高水準であった。マラリア関連の施策決定者は、この予測システムによる予測確率分布が気候観測値に基づく予測と異なる年については、関連物資の配備をより適切に行うためにこの情報を利用することができる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度