Letter 化学:メタン酸化用固体酸化物燃料電池陽極における拡張欠陥の分断 2006年2月2日 Nature 439, 7076 doi: 10.1038/nature04438 酸化物の電気化学的特性は、概して点欠陥に左右される。すなわち、欠陥濃度が低ければ濃度とともに導電性が上昇するが、欠陥濃度が高くなると欠陥-欠陥相互作用が支配的になり始める。したがって、電気化学的に活性な燃料電池陽極材料を探索する際、一般的に高欠陥濃度のものは避けられる。本論文では、ランタン置換チタン酸ストロンチウム(La-SrTiO3)から形成した酸化物陽極について報告する。この材料では、拡張欠陥相互成長領域を分断し、無秩序酸素欠陥を多く含む相を創出するため酸素ストイキオメトリーが制御されている。これらの相中のTiをGaおよびMnと置換してレドックス活性を誘導し、よりフレキシブルな配位を可能にしている。この材料は、950℃で湿潤水素を使用した場合に極めて良好な燃料電池性能を示している。燃料電池技術でさまざまな炭化水素燃料を用いて効率よく電極を作動させることも重要であるが、そのような燃料は純粋な水素よりも条件が厳しい。これまでで最も優れた陽極材料であるNi-YSZ(イットリア安定化ジルコニア)サーメットは、低硫黄耐性、炭化水素燃料を用いた際のカーボン蓄積(デバイス改良と低温動作によって回避可能ではある)、レドックスサイクリング時の体積不安定性に関する欠点がある。我々の陽極材料は高温でのメタン酸化に対して非常に活性が高く、開回路電圧は1.2 Vを超えている。今回の我々の材料設計コンセプトによれば、化石燃料やカーボンニュートラル燃料からより効率よくエネルギーを取り出すデバイスが実現できるかもしれない。 Full Text PDF 目次へ戻る