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医学:1918年インフルエンザウイルスのポリメラーゼ遺伝子の特徴

Nature 437, 7060 doi: 10.1038/nature04230

A型インフルエンザウイルスのヘテロ三量体ポリメラーゼ複合体(PA、PB1、PB2)は、ウイルスの複製のさまざまな段階にかかわり、また宿主の因子と相互作用するために、宿主特異性に関係することが知られている。1918年ヒトインフルエンザウイルスのポリメラーゼタンパク質のアミノ酸配列は、トリインフルエンザウイルスのコンセンサス配列とごく少数のアミノ酸が違うだけであり、1918年ウイルスが流行の直前にトリ型ウイルスから生じたという仮説によく一致する。しかし、1918年ウイルスのポリメラーゼ遺伝子の塩基配列をトリ型ウイルスと比べると同義コドンによる違いが予想以上に多く、既知のトリ型ウイルスとの間に進化上の距離があることが示唆される。今回我々は、1918年インフルエンザウイルスの完全なゲノムの塩基配列を明らかにして系統発生解析を行い、1918年ウイルスは(1957年や1968年の大流行の原因ウイルスのような)リアソータントではなくて、全体がトリ型に似たウイルスで、これがヒトに適応したものである可能性が高いと考えた。これらのデータは、1918年ウイルスはトリ由来だとするこれまでの系統発生研究を裏付けている。ポリメラーゼタンパク質に起こった全部で10個のアミノ酸変化は、1918年ウイルスやその後のヒトインフルエンザウイルスで、一貫してこれらのウイルスとトリウイルスとを区別する相違点となっている。この同じ変化の相当部分が、最近広まっている病原性の強いH5N1ウイルスにも見られることは注目すべきである。このH5N1ウイルスはヒトでも病気や死亡の原因になっており、新たなインフルエンザ大流行の先駆けとなることが懸念されている。今回見つかったアミノ酸配列の変化は、インフルエンザウイルスのヒトへの適応に重要なのかもしれない。

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