Letter 工学:微視的人工遊泳体 2005年10月6日 Nature 437, 7060 doi: 10.1038/nature04090 細菌や多くの真核細胞などの微生物は、鞭毛という毛状構造体を用いて進む。鞭毛の構造と運動パターンはさまざまである。例えば、細菌の鞭毛はらせん形で、根元につながった可逆回転エンジンによって駆動され、ワインの栓抜きと同様の回転運動をする。これに対し、真核細胞はしなやかな棒のような鞭毛を用い、むち打ち運動をする。鞭毛内部で発生した応力が次々に湾曲を生み出し、それが先端へと伝わる。自然界にはこのようにさまざまな泳動戦略があるのに対し、人工のマイクロメートルサイズ構造体に制御された泳ぎをさせることはまだ実現されていない。本論文では、コロイド磁性粒子をDNAでつないだ線状の鎖を赤血球につけると、しなやかな人工鞭毛として働くことを示す。この繊維は均一な外部磁場の方向に沿って伸び、横方向の磁場を振動させると容易に動く。我々は、この動きが構造体を前進させるむち打ちパターンを引き起こし、外部磁場を調節することで進む方向と速度を制御できることを見いだした。 Full Text PDF 目次へ戻る