Letter 地球:古原生代の成層した海における緑色および紅色硫黄細菌の存在の生物指標という証拠 2005年10月6日 Nature 437, 7060 doi: 10.1038/nature04068 18億年前の地質学的記録から鉄の形成が消失していることは、24億5000万〜23億2000万年前に始まった大気中の酸素レベル上昇の結果であった。このことは、無酸素で鉄を豊かに含んだ深海が優勢であった25億年間の終わりを示している。しかしながら、酸素レベルが上昇し、これと同時に大陸の風化作用による硫化物酸化の促進に関連して、海洋の硫酸塩濃度が上昇したにもかかわらず、その後の原生代中期(約8億〜18億年前)における海洋の化学的性質は、現代の酸素の豊富な海洋とはまだ似ていなかったと思われる。最近のデータの示すところによると、海の酸素濃度と硫酸塩濃度は、この期間には現在のレベルよりかなり低い状態のままであった可能性があり、あるモデルでは、無酸素で硫化的な海盆が広範囲におよび、おそらく全球的に分布していたことが示されている。本論文では、オーストラリア北部の16億4000万年前の海盆から得られた炭化水素という生物指標(分子化石)について報告し、原生代中期の海洋群集の生態学的な構造を明らかにする。これらの生物指標は、無酸素かつ硫化的で硫酸塩に乏しく、恒常的に成層した深層水をもつ海盆が存在し、真核藻類には厳しい環境だったことを示している。光合成を行う紅色硫黄細菌(クロマチア科)が、新しいカロテノイド生物指標であるokenaneに基づいて地質学的記録から検出され、これらは緑色硫黄細菌(クロロビウム科)群集と共存していたらしい。まとめると、酸素レベルが現在よりかなり低いままだった原生代の環境が長く続いたという証拠は増えつつあるが、これらの生物指標はそれらをさらに裏付けるものである。 Full Text PDF 目次へ戻る