Letter 生物物理:細菌鞭毛モーターの回転におけるステップの直接観察 2005年10月6日 Nature 437, 7060 doi: 10.1038/nature04003 細菌鞭毛モーターはらせん状の繊維を回転させる回転分子機械で、多くの遊泳する細菌が推進するのに用いている。回転子は細胞膜にあり、最大直径45 nmのリング構造の集合体である。その回転子の周囲には、細胞壁に固定された約10個のトルク発生ユニットからなる固定子が存在する。モーターの自由エネルギー源は細胞膜の外から内に向かうイオンの電気化学的勾配であり、H+駆動モーターではプロトン駆動力、Na+駆動モーターではナトリウム駆動力である。今回我々は、大腸菌のNa+駆動キメラ鞭毛モーターのステップ運動を、ナトリウム駆動力を低くし、トルク発生ユニットの発現を少数に抑えることで実証した。1回転あたり26のステップが観察され、このステップ数は、回転子のトルク発生部位と考えられているタンパク質FliGのリングの周期性と一致した。鞭毛の回転方向を変えるタンパク質CheYが存在しないにもかかわらず逆向きのステップが観察されたことは、1ステップあたりの自由エネルギー変化が小さく、単一イオンの通過に伴う自由エネルギー変化と同程度であることを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る