Letter 古生物:中国の白亜紀陸上生態系に見られる翼竜類の多様性と動物相の交代 2005年10月6日 Nature 437, 7060 doi: 10.1038/nature03982 中国東北地区に分布する熱河動物群の翼竜類の新しい化石標本や解析から、白亜紀の陸上生態系では空を飛ぶ爬虫類が意外にも多様だったことが示されている。今回我々は、これまで中国東北地区の堆積層では見つかっていなかったヨーロッパ産分類群に属する新しい2種の翼竜について報告する。義県累層で見つかったFeilongus youngiはガロダクチルス科(Gallodactylidae)に非常に近縁であり、2つの独立した矢状突起と突き出た上顎が特徴である。九仏堂累層で産したNurhachius ignaciobritoiは、唇舌方向に扁平で歯冠が三角形の歯をもっており、こうしたものは今のところイングランドで出土したIstiodactylus latidensでしか報告されていない。これらの新発見もあわせた熱河産の翼竜類には、原始的形態と派生的形態の両方を含む広範な分類群が見られ、これに相当する堆積物は世界の他のどこにも見当たらない。今回の発見では、原始的なアヌログナトゥス科(Anurognathidae)と初期の古翼指竜類(Archaeopterodactyloidea)が、派生的な翼指竜類(Pterodactyloidea)に置き換わるという、翼竜相の交代も明らかになった。さらに、これらの堆積物は鳥類と翼竜類の間にあった相互作用や競争を検証するための格好の材料となり、白亜紀前期(そして、おそらく中生代の大部分)の陸上内陸部では鳥類相が優占していたが、沿岸部では翼竜類のほうが多かったことを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る