Letter

生態:生態系をまたぐ栄養カスケード

Nature 437, 7060 doi: 10.1038/nature03962

捕食が激しくなり、食物網の至るところに強い直接的・間接的な影響を生じさせる可能性がある。それに加えて生態学研究の分野では、生態系の境界を超えた生物の流れが群集動態に非常に大きな影響を及ぼしうるという認識が高まってきている。複雑な生活史をもつ生物種は往々にして生活環の中で生息場所を移行し、生態系間を結ぶ有力なパイプとなっている。したがって、ある生態系(たとえば幼生の生息域)で捕食者の数度に影響を及ぼす局所的な相互作用は、別の生態系(たとえば成体の生息域)に波及効果をもたらす可能性がある。本論文では、生態系の境界をまたいでカスケードをなす栄養相互作用によって、魚類が陸上植物の繁殖を間接的に促進させることを示す。魚類は池のトンボ幼生の数度を減少させて近隣のトンボ成体の数を減らす。トンボ成体は花粉を媒介する昆虫を食べて、その採餌行動を変化させる。その結果、魚類のすむ池の近くの植物には、魚類のいない池の近くの植物に比べて、より多くの花粉媒介昆虫が訪れ、受粉量があまり制限されない。我々の得た結果は、強い種間相互作用が生態系をまたいで波及することを実証するものであり、局所的な種間相互作用の推進には景観レベルのプロセスが重要なことを如実に示している。

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