Letter 生理:転写因子NorRでは非ヘム鉄中心が一酸化窒素を感知する 2005年9月29日 Nature 437, 7059 doi: 10.1038/nature03953 一酸化窒素(NO)は真核生物ではNOシンターゼによって合成され、シグナル伝達経路や病原体に対する防御過程でいくつもの役割を果たしている。一方、病原性微生物もNOや類似の反応性窒素分子種の作用に対抗する防御機構を進化させてきたらしい。NOを感知する調節タンパク質は、NOと窒素ストレス(nitrosative stress)に対する一次応答を仲介する。腸内細菌で、NOに応答する転写因子という役割だけをもつ調節タンパク質として知られているのはエンハンサー結合タンパク質NorRのみである。大腸菌のNorRは、フラボルブレドキシン(FlRd)および類似のフラボタンパク質をコードするnorVW遺伝子の転写を活性化する。この2つのフラボタンパク質は、共にNADH依存性NOレダクターゼ活性をもつ。NorRのNO応答活性から、NO感知機構についての重要な疑問が生じる。今回我々は、NorRの調節ドメインに単核非ヘム鉄中心が含まれていて、これがNOに可逆的に結合することを明らかにした。NOの結合が刺激となってNorRのATPアーゼが活性化し、RNAポリメラーゼによる転写の活性化が可能になる。NorRの作用機構から、非ヘムモノニトロシル鉄複合体が、NOの感知にこれまで知られていなかった生物学的役割を果たしていることがわかった。 Full Text PDF 目次へ戻る