Letter 生理:タランチュラ毒素をカーゴとする電位センサーの活性化 2005年8月11日 Nature 436, 7052 doi: 10.1038/nature03873 電位依存性Na+、Ca2+、K+(Kv)チャネルの開閉は、生体のさまざまな場で電気的および化学的シグナル伝達の基盤となっているが、電位感知の構造的基礎は明らかになっていない。ハナトキシンはタランチュラの毒素であり、電位センサーパドルに結合することによりKvチャネルを阻害する。この電位センサーパドルは、S3bおよびS4ヘリックスからなる電位感知ドメイン内のきわめて重要なヘリックス・ターン・ヘリックスモチーフである。ハナトキシンの活性表面は両親媒性であり、また同族の毒素が膜に入り込むことが明らかになったことから、ハナトキシンは膜に集まり、電位センサーと一時的に弱く相互作用するだけである可能性が提起されている。今回我々は、ハナトキシンとチャネルの相互作用の速度論および状態依存性ならびに膜内での毒素の物理的位置を調べた。ハナトキシンは電位センサーと強く安定な複合体を形成し、電位センサーが負の電位における休止(閉鎖)コンホメーションと正の電位における活性化(開口)コンホメーションとの間を変動する時間よりもはるかに長く結合が持続することがわかった。毒素の親和性は電位センサーの活性化によって低下するが、このことは、毒素が休止コンホメーションを安定化する理由を説明する根拠となる。また、ハナトキシンは膜に入り込むと界面領域に局在し、Trp30は二重層の中心から約8.5Åの位置にあることもわかった。これらの結果は、電位センサーパドルが毒素をカーゴとして結合したままで活性化できることを示しており、活性化の過程において、電位センサーパドルは脂質二重層のわずか外側半分までしか動かないことを示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る