Letter 医学:エタノール耐性の発達に必要なストレス経路を特徴づけるhangover遺伝子 2005年8月11日 Nature 436, 7052 doi: 10.1038/nature03864 アルコールの度重なる摂取は耐性を生じさせる。耐性とは、薬物の生理的あるいは行動的な影響に対する抵抗性が生じることをいう。耐性によってより多量のアルコール摂取が可能になるため、やがて身体的依存性や場合によっては嗜癖にまで至ることがある。これまでの研究で、ショウジョウバエにはエタノール耐性が生じ、その獲得や消失の動態は哺乳類でのそれと類似していることがわかっている。この耐性には、哺乳類のノルアドレナリンの機能的アナログでカテコールアミンの一種であるオクトパミンが必要である。本論文では、エタノール耐性の正常な発生に必要な新規遺伝子、hangoverについて報告する。hangoverと命名された変異ハエは、熱やフリーラジカル発生剤であるパラコートなどの環境ストレッサーに対する反応にも欠陥がみられる。遺伝的上位性試験により、ショウジョウバエのエタノール耐性は、hangover遺伝子で規定される細胞ストレス経路とオクトパミンを要求する平行経路との、2つの別の分子経路によっていることがわかった。hangoverは、大きな核内ジンクフィンガータンパク質をコードしており、核酸に結合する役割が考えられる。ストレスは、細胞レベルでも動物体レベルでも哺乳類の薬物や嗜癖に関連した行動にかかわるという認識が広まりつつあるが、今回の研究はストレスのこの役割が進化的に保存されている可能性を示している。 Full Text PDF 目次へ戻る