Article 細胞:腫瘍由来のMYC変異体によるp53腫瘍監視ネットワークの回避 2005年8月11日 Nature 436, 7052 doi: 10.1038/nature03845 c-Myc癌タンパク質は増殖およびアポトーシスを促進するので、アポトーシスプログラムに障害を引き起こす変異は、腫瘍形成の過程においてMYCと協同して働く場合が多い。本論文では、ヒトのバーキットリンパ腫に由来する2種類の一般的な変異MYC対立遺伝子が増殖とアポトーシスを解離させ、その結果マウスで、B細胞リンパ腫の発生を野生型MYCに比べ、より効率的に促進することを報告する。変異型MYCタンパク質は増殖を促進し、p53を活性化する能力を保持しているが、BH3-onlyタンパク質Bim(B cell lymphoma 2(Bcl2)ファミリーのメンバー)を誘導できず、またBcl2を効果的に阻害できないためにアポトーシスを促進できない。Bcl2の強制発現、またはBimもしくはp53の機能のいずれかの消失によりアポトーシスを阻害すると、野生型MYCは変異型MYCと同じように効率的にリンパ腫を引き起こせるようになる。これらの結果は、複数のアポトーシス経路がともに並行的に作用してMYCによる形質転換を抑制する仕組み、また変異型MYCタンパク質がp53非依存性の経路の選択的不活性化により、リンパ腫発生の過程において腫瘍細胞をp53の作用から回避させることを可能にする仕組みを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る