Letter 植物:シロイヌナズナではERECTA遺伝子が蒸散効率を制御している 2005年8月11日 Nature 436, 7052 doi: 10.1038/nature03835 植物の炭素同化作用は水分の損失をまねく。水が不足している世界の多くの地域では、植物の蒸散効率(炭素固定量と水分損失量との比)は植物の生存、作物の収量、および植生動態に重要である。環境の変化を被った場合、植物では光合成量と蒸散量とを調整するように見えることが多いが、種間でも種内でも蒸散効率にはかなりの遺伝的変異が確認されている。このことにより、植物体の炭素同位体分別値(Δ)が、蒸散効率の変化と負の相関をもつマーカーとして高い信頼性および感度をもつことが示されてから、育種により作物の蒸散効率を向上させるための効果的な選抜プログラムの開発が行われるようになった。しかし、蒸散効率の遺伝的制御に関してはほとんど知られていない。本論文では、蒸散効率を調節する遺伝子であるERECTAを単離したことを報告する。ERECTAはロイシンリッチリピート型受容体様キナーゼ(leucine-rich repeat receptor-like kinase;LRR-RLK)と推定され、花序伸長にかかわることが知られているが、シロイヌナズナ2番染色体上にあるΔに関係する遺伝子座の主要な部分を占めることがわかった。調節機構には少なくとも、気孔密度、表皮細胞容積増大、葉肉細胞増殖、および細胞間接触に対する作用が含まれている。 Full Text PDF 目次へ戻る