Letter 量子情報科学:部分的な量子情報 2005年8月4日 Nature 436, 7051 doi: 10.1038/nature03909 情報は古典的であれ、量子的であれ、それを伝達するのに必要な通信量で測られる。古典的な場合、伝達されるメッセージに関して受信者が何か事前に情報を持っていれば、通信は少ない量で済む。本論文では、事前量子情報の概念について検討する。ある未知の量子状態が二つの系に分配されているとして、その全状態を1つの系に転送するのにどれだけ量子通信が必要になるかを決定した。この量子通信では、1つの系は、その系の持つ事前情報に応じて必要な部分情報を測定する。我々は、この量が条件付きエントロピーで与えられることを見いだした。条件付きエントロピーという量は既に知られてはいたが、その操作的な意味はわかっていなかった。古典的な場合、部分情報は常に正になる。しかし、量子の世界ではこの物理量は負にもなり得ることがわかった。部分情報が正であれば、その送信者はそれに応じた数の量子ビットを受信者へ通信する必要がある。しかし部分情報が負であれば、逆に送信者と受信者は将来それに対応するさらなる量子通信を行う潜在能力を持っていることになるのである。ここでは、部分情報を最適に転送する「量子状態マージング」と名づけるプロトコルを導入する。これによって、量子ネットワーク理論をどのように系統的に理解できるか示し、そして、分散圧縮、補助情報による無雑音圧縮、マルチアクセスチャネル、そして、支援されたエンタングルメント抽出を含むいくつか重要な応用を論じた。 Full Text PDF 目次へ戻る