Letter 気候:完新世における南極半島のラルセンB棚氷の安定性 2005年8月4日 Nature 436, 7051 doi: 10.1038/nature03908 暖候期における南極の棚氷の安定性は長い間議論されてきた。そして、南極半島沖のラルセン棚氷のかなりの部分、面積にして 12,500 km2を超える領域が最近崩壊したことから、南極大陸の座礁氷の安定性に対して棚氷の衰退のもつ意味に再び焦点が当てられることになった。いくつかのより小さな南極の棚氷は、過去 11,000年にわたって周期的な成長と衰退を経てきている。しかし、これらの棚氷はその存続力が気候の面から見ると限界に達しており、 それゆえに100年から1,000年のスケールで自然の気候変動に対して急速な対応を見せると推測される。本論文では、ラルセン棚氷近くにある6つの海洋堆積物コアからの珪藻、砕屑堆積物、地球化学的パラメーターの記録を用いて、ラルセンB棚氷の最近の崩壊が完新世には先例のないものであることを実証する。浮遊性有孔虫の酸素同位体の測定から、ラルセンB棚氷は完新世の間ずっと薄くなり続けたと推測される。また、南極半島地域の暖候期が最近では長期に及んでいることと、氷が長期にわたり薄くなってきたことが相まって、 棚氷の崩壊を引き起こしたのではないかと考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る