Letter 気候:過去30年間で熱帯低気圧の破壊力は増大していた 2005年8月4日 Nature 436, 7051 doi: 10.1038/nature03906 理論やモデリングによると、全球平均気温が上昇するとハリケーンの強度は増大すると予測されているが、ハリケーン活動の傾向を見つけるために行われたこれまでの研究のほとんどは発生頻度に注目しており、活動の動向は示されていない。本論文では、ハリケーンの発生から消滅までの全活動期間にわたって積分して得られる総散逸エネルギーを基にして、ハリケーンの潜在的な破壊力の指標を定義し、この指標が1970年代の半ば以降、顕著に増大してきたことを示す。この増大傾向はハリケーンがより長寿命かつ強力になっていることに起因している。ハリケーンの正味の散逸エネルギーの記録は熱帯の海面水温と極めて高い相関をもち、北大西洋や北太平洋における数十年規模の振動や地球温暖化など、詳細な研究の蓄積がある気候現象を反映していることが見出された。これらの結果から、将来地球が温暖化すると、熱帯低気圧がより破壊的になる可能性が増大し、さらに海洋沿岸域の人口が増えていることも考慮すると、21世紀にはハリケーンに関連した損害がかなり増加すると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る