Letter 生化学:TRBPはマイクロRNAのプロセシングおよび遺伝子サイレンシング時にDicer複合体をAgo2に動員する 2005年8月4日 Nature 436, 7051 doi: 10.1038/nature03868 マイクロRNA(miRNA)は2段階のプロセシング経路を経て作られる約22ヌクレオチドのRNA分子で、標的遺伝子の発現を転写後段階で負に調節する。一次miRNAはマイクロプロセッサー複合体によるプロセシングを受けて前駆体miRNA(pre-miRNA)となる。これらのpre-miRNAは、RNアーゼ IIIであるDicerによるプロセシングを受けて成熟miRNAとなる。成熟miRNAは、相補的配列をもつメッセンジャーRNAにRNA誘導サイレンシング複合体(RISC)を誘導する。本論文では、3つの2本鎖RNA結合ドメインを含むTRBP(ヒト免疫不全ウイルストランス活性化応答RNA結合タンパク質)が、Dicerを含む複合体の必須成分であることを報告する。TRBPを含む複合体を対象とした生化学的解析の結果、Dicer-TRBPと、RISCの触媒であるArgonaute 2(Ago2)が結合することが判明した。Dicer-TRBPとAgo2が物理的に結合することは、Flag標識したAgo2を発現する細胞系列を使用して3成分複合体が単離されたことで確認された。in vitro再構成実験の結果、Dicerと結合した低分子干渉RNA(siRNA)へのAgo2の動員にTRBPが必要なことがわかった。TRBPをノックダウンするとDicerは不安定化し、結果的にmiRNAの生合成が消失した。またsiRNAを外部から導入してDicer-TRBPを枯渇させると、RISCの関与するレポーター遺伝子のサイレンシングがみられなくなった。これらの結果は、Dicer-TRBP複合体がmiRNAのプロセシングに関与しているだけでなく、RISCが集合するときのプラットフォームとなることも示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る