Letter 生化学:アミロイド原繊維中における分子のリサイクル 2005年7月28日 Nature 436, 7050 doi: 10.1038/nature03986 アミロイド原繊維は糸状のタンパク質凝集体であり、原繊維の軸に対して平行に配置する反復性βシート群からなるコア領域を有する。このような構造は当初、臨床疾患において認められたが、最近では遺伝情報の伝達や、記憶に関与するシナプス変化などの多様な非病原性現象との関連も指摘されている。多くのタンパク質がin vitroで類似の構造に変換可能であるという観察結果から、この能力がポリペプチド鎖の一般的な特徴であることが示唆されている。今回、核磁気共鳴分光法とエレクトロスプレーイオン化質量分析法を組み合わせて、SH3ドメインから形成された原繊維中における水素/重水素交換を追跡することでアミロイド構造の性質を解析した。その結果、本研究で使った条件における水素/重水素交換の大半は、解離と再集合の機構によるもので、その結果原繊維集団内で分子がリサイクルされることが判明した。アミロイド原繊維の動的な性質に関する今回得られた手がかりと、このような挙動を左右するパラメーターが確定可能なことは、アミロイド症の治療戦略の設計に重要な意味をもつ。 Full Text PDF 目次へ戻る