Letter 物理:準二次元有機導体における非従来型の臨界挙動 2005年7月28日 Nature 436, 7050 doi: 10.1038/nature03806 ある集団中の粒子間の相互作用を、例えば、温度、あるいは圧力によって変化させると、相転移を引き起こすことができるが、その臨界挙動は多体系の集団的な性質に依存している。多体系を構成する要素は、原子、分子、電子、そして電子スピンなどとさまざまであるにもかかわらず、その集団挙動は、標準的なスピン模型で表されるいくつかのグループ (「ユニバーサリティクラス」と呼ぶ)に分類することができる。相転移の一つであるモット転移は、電子間の斥力クーロン相互作用が強くなると起こり、その結果、波動としてふるまっていた電子は粒子のようにふるまうようになる。二次元では、銅酸化物の高温超伝導や有機化合物の超伝導の引き金となる、興味深い挙動がこのモット転移付近で現れるものの、二次元の斥力電子系がどのユニバーサリティクラスに属するかはまだわかっていない。本論文では、準二次元有機導体において、圧力で引き起こしたモット転移の臨界現象を、電気伝導度測定を用いて観測した結果を示す。これにより、この二次元のモット転移は、観測された集団挙動が未知のものであり、したがって今まで知られているどのユニバーサリティクラスにも属さないことがわかった。この特異性は、二次元のモット転移の近くで現れるすべての挙動に関係しているにちがいない。 Full Text PDF 目次へ戻る