Letter 神経:ニューロスフェア由来の多能性前駆細胞は免疫調節機構を介して神経防護を促進する 2005年7月14日 Nature 436, 7048 doi: 10.1038/nature03889 中枢神経系(CNS)の変性疾患では、傷害をうけた神経細胞の置換を目指して、多能性(幹性)神経前駆細胞(NPC)の移植が試みられている。今回、CNSの炎症時にNPCが未分化な性質を維持し、予想外の免疫細胞様の機能を発揮して神経防護を促せることを報告する。慢性CNS炎症のマウスモデルで、全身的に投与した同系成体NPCは、持続的に活性化したインテグリン類と機能を持つケモカイン受容体を使って炎症部位に進入する。これらの未分化細胞は、CNS炎症の再発エピソードの間、血管周囲領域に集合して生き残る。こうした領域では反応性アストロサイトや炎症を起こした内皮細胞、脳炎誘発性T細胞が、ニューロンやグリア由来の調節因子を生産している。CNSの血管周囲領域では、生き残った成体NPCが、血流に運ばれてCNSに浸潤した脳炎誘発性T細胞のアポトーシスを誘導し、慢性的な神経組織消失や疾病に関連した機能不全を防止する。これらの結果は、未分化成体NPCが、その免疫様機能で長期持続的な神経防護を促すために、慢性の炎症性CNS疾患に適切といえる治療的有効性をもつことを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る