Letter

化学:ミクロ孔を有する金属錯体物質中への精密制御したアセチレンの取り込み

Nature 436, 7048 doi: 10.1038/nature03852

ミクロ孔金属錯体物質(MOM)は、その特異な構造と性質のため科学的に幅広く注目されており、また、吸蔵、分離、そして不均一触媒への応用の可能性から工業的な関心も持たれている。MOMが、活性炭など他のミクロ多孔性物質に比べて優れている点の一つは、細孔壁に有機官能基を制御して導入すると、親水性や光学活性などさまざまな細孔表面特性を発現できることである。これは、MOMの細孔表面が、特定の分子を吸着するよう設計できる可能性があることを意味する。しかし、これまでのところ小分子を吸着する設計戦略はほとんど確立されていない。本論文では、官能基で機能化されたMOMの表面上に、非常によく似た分子である二酸化炭素に比べて、アセチレンの方を高選択的に収着できることを報告する。アセチレン分子は、分子自身の2個の水素原子と、MOMのナノスケールの細孔壁に規則的に配列された配位していない2個の酸素原子との間の水素結合によって、互いに周期的な距離をおいて保持される。これによって、自由アセチレンを室温で安全に圧縮できる限界値の200倍の密度でのアセチレンの安定した吸蔵が可能になる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度