Letter 地球:マグマオーシャンからの溶融体の分離により生成された冥王代マントルの微量元素分化 2005年7月14日 Nature 436, 7048 doi: 10.1038/nature03827 地球の集積過程のエネルギー収支を計算すると、地球はその初期において大規模に融解していたことが示される。グリーンランド西部で得られた(36億〜38億年前の)始生代初期の岩石を、半減期の短い146Sm-142Nd年代測定法を用いて調べた結果では、マントルの分化は集積が終わった直後(4.46±0.11 Gyr前)に起きたと考えられる。これにより、Sm/Nd比がコンドライト組成よりも高い、化学的に枯渇したマントルが形成されることになる。それとは対照的に、グリーンランド西部で得られた36億〜38億年前のジルコンに対して176Lu-176Hf系を適用した結果からは、マントルはコンドライト組成のLu/Hf比を持つマントル生成源から派生したことが示される。初期にSm/Nd分化が起きることは、玄武岩質の地殻形成、マグマオーシャンの結晶化、あるいは大陸地殻の形成により説明できる。しかし同時代にLu/Hf分化がないことと、よく知られているように地殻形成過程においてSm/NdおよびLu/Hf比が同じようなふるまいをすることとは、正反対のことといえる。本論文では、高圧におけるマントル鉱物の鉱物−溶融体間の分配に関するデータを用いて、観測されたNdとHfの特徴が、地球初期の上部マントルの圧力条件下で、結晶化するマグマオーシャンからの溶融体の分離により生じた可能性を示す。この残りの溶融体は浮力により上昇し、最終的には最も初期の地球の原始地殻を形成したのだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る