Letter 気候:第四紀後期の気候変化をもたらす南半球における局地的な太陽放射強制力 2005年7月14日 Nature 436, 7048 doi: 10.1038/nature03826 ミランコヴィッチによる軌道サイクルの仮説にあわせて、氷期と間氷期間の気候遷移は地球の北半球と南半球で同期して起こったと考えられることが多い。しかしこの仮定を検証することはむずかしい。なぜなら南半球からの長期にわたる連続した気候記録は、年代特定の際に北半球でのシグナルと推定される記録に同調させたものが多いからである。本論文では、ニュージーランド南島の泥炭層から得られた、独立して年代特定された陸上の花粉の記録により、最近の二度の氷期−間氷期サイクル期間中の南半球の気候変化における全球的および地域的な要因を調査した結果を示す。この記録は、軌道強制力についてのミランコヴィッチモデルとおおむね整合的ではあるものの、異なる点もいくつかある。とくに、最終氷期最盛期の開始が早く、持続期間が長い。我々の結果は、南半球の太陽放射がこれらのタイミングの違いをもたらしてきた可能性があることを示唆している。これらの知見は、軌道による較正を南半球の記録にあてはめることの妥当性に疑問を投げかけるとともに、両半球間の気候変化の非同期をもたらす二極間シーソー説に替わる機構が働いていることを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る