Letter 植物:植物の発生にはシロイヌナズナのhAT様トランスポザーゼが不可欠である 2005年7月14日 Nature 436, 7048 doi: 10.1038/nature03667 高等植物および脊椎動物のゲノムでは、転移因子およびその類縁体が相当の割合を占めている。自律性のDNA型トランスポゾンにはトランスポザーゼがコードされており、トランスポゾンはこれによって宿主ゲノム内で染色体上の別の位置へカットアンドペースト式に転移できる。この現象は変異原性となることがあるため、宿主はエピジェネティックな遺伝子サイレンシングおよびヘテロクロマチン形成によって転移を制限している。本論文では、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)のDAYSLEEPERと命名したトランスポザーゼが植物の正常な成長に不可欠であることを示す。DAYSLEEPERには、トランスポザーゼのhAT(hobo、Activator、Tam3)ファミリーとの間に共通点がいくつかある。DAYSLEEPERは、シロイヌナズナのDNA修復遺伝子Ku70の上流領域に存在するモチーフ(Kubox1)に結合する因子として単離された。このモチーフは、ほかの多数の植物遺伝子の上流領域にも存在している。DAYSLEEPERが欠失した植物および著しく過剰発現した植物では正常な発生が行われない。また、DAYSLEEPERが過剰発現すると多くの遺伝子で発現に変化が生じる。今回のデータは、トランスポザーゼ様遺伝子が植物の発生に不可欠であり、また全体的な遺伝子発現を調節している可能性があることを示している。したがって、トランスポザーゼは宿主によって重要な細胞機能を全うする目的で取り込まれている可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る