Letter 材料:半導体ナノ結晶のドーピング 2005年7月7日 Nature 436, 7047 doi: 10.1038/nature03832 ドーピングは意図的に物質中に不純物を入れることをいう。これはバルク半導体の性質を制御する基本技術であるが、ここから同様にして半導体ナノ結晶のドーピングに関する研究も盛んに行われるようになった。しかしながら、いくつかの成功はみられたものの多くの試みは失敗に終わっており、その理由も明らかではない。例えば、MnはCdSとZnSeのナノ結晶中にドープすることができるが、バルクの溶解度が同じようにほぼ50%であるCdSeにはできない。新しいナノ結晶材料を開発する障害となっているこれらの問題点は、不純物を排除する固有の機構である「自浄作用」が原因であると説明されることが多い。これに対し本論文では、ドーピングを制御する基礎となる機構は、成長過程におけるナノ結晶表面への不純物の初期の吸着が原因であることを示した。吸着、つまりドーピングの効率は3つの主要因子、すなわち、表面形態、ナノ結晶形状、そして成長溶液中の界面活性剤で決まることがわかった。計算で得たいくつかのナノ結晶のMn吸着エネルギーと平衡形状を基に、具体的にドーピングの予測を行った。それらの予測は、ZnSe中のMn濃度がナノ結晶サイズおよび形状と共にどのように変化するかを測定して確かめられた。最後に、この予測結果を利用して、これまでドープ不可能とされていたCdSeナノ結晶にMnをドープすることができた。この成功によって、これまでのドーピングに関する問題は固有のものではないことが明らかになった。さまざまなドープナノ結晶は、太陽電池からスピントロニクスまで多様な応用が考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る