Letter 生化学:光防護および光合成での集光調節の分子的基盤 2005年7月7日 Nature 436, 7047 doi: 10.1038/nature03795 植物は光合成において光エネルギーを最大限に利用するため、集光アンテナとして機能する分子をもっている。この分子は光量子を集めて反応中心に送るもので、反応中心では光エネルギーの化学エネルギーへの変換が行われる。集光アンテナの機能状態は自然界で遭遇する太陽光強度の極端な変化に対応している。弱光下の光合成では効率的な集光が行われるが、強烈な太陽光下では吸収するエネルギーの大部分が不要であり、アンテナの状態を過剰なエネルギーを熱として安全に放散する特有の状態へと切り替える、きわめて重要な機構が存在する。これにより光合成膜は光傷害から守られるので、こうした機構は植物の生存に不可欠である。しかし、高い光合成効率を実現する特質の方は注目されてきたが、このエネルギー放散を起こす状態の分子的性質はほとんど知られていない。最近、植物の主要な集光性アンテナタンパク質であるLHCIIの構造がX線結晶解析によって原子レベルで決定された。本論文ではそれがLHCIIの放散状態の構造にあたることを示す。我々はこの結晶体に関して分光学的解析を行い、その色素群の立体配置に、LHCIIがエネルギーの流れを本来的に調節できるような特定の変化が起こることを確認した。これは光合成の集光調節を理解するための分子的基盤となる。 Full Text PDF 目次へ戻る