Letter 地球:高圧下におけるケイ酸塩液相への希ガスとCO2溶解度におけるヘンリーの法則の破綻 2005年7月7日 Nature 436, 7047 doi: 10.1038/nature03636 地球の脱ガスは、例えば大洋中央海嶺玄武岩に見られるHe/Ar比の大きなばらつきのように、まだよくわかっていない。このような観測結果の解釈として、地球深部では希ガスの溶解度が1 barで測定した値と異なるために発泡が起きるというものが挙げられる。本論文では、希ガス溶解度に対するハードスフィアモデルを作成し、圧力が増加したときに溶融体の圧密のために溶解度が数桁減少する可能性があるという、流体相の圧縮によって微妙に平衡が失われる効果を発見した。この結果は、アルゴン濃度が圧力と共にほぼ線形に増加し、50〜100 kbarの圧力で一定となるケイ酸塩溶融体中のアルゴン溶解度に対する最近の実験データをうまく説明できる。また、海嶺におけるマグマ上昇中の発泡もモデル化したところ、深部における溶融体とCO2小泡間の希ガス分配は低圧下で起きるものとは明らかに異なることがわかった。10 kbar(深さ約35 km)から始まって、発泡のいくつかの段階を経て小泡がなくなることにより、大洋中央海嶺玄武岩でのHe-Ar濃度データの大きなばらつきが説明できる。小泡を多く含む例外的な試料である「popping rocks」は海嶺の溶岩が完全に小泡化したものである可能性があり、通常の試料は単にそのような泡が失われただけであると思われる。 Full Text PDF 目次へ戻る