Review Article 宇宙:火星表面から観測されたフォボスとデイモスによる日食 2005年7月7日 Nature 436, 7047 doi: 10.1038/nature03437 火星の小さな衛星である、フォボスとデイモスは、火星の赤道面からそれぞれわずか0.01°と0.92°の傾斜角で同期自転している。したがって、火星の赤道付近の緯度に観測者がいるとすれば、時々これらの衛星による日食を観測することができる。しかし、衛星の見かけの角直径は、太陽の角直径よりはるかに小さいため、そのような現象は太陽面通過としたほうが適切である。太陽面通過のデータは、これら衛星軌道の推算暦の修正や精密化に使用できる。例えばフォボスは、火星内部の潮汐散逸が引き起こす永年加速を示すことが知られている。長期の正確な測定は、火星内部でのこの散逸の規模と起源をより精密に求めるだけでなく、両衛星の軌道進化の予測を精密化することにも必要とされる。本論文では、フォボスとデイモスの6回の太陽面通過を、火星探査車スピリットとオポチュニティに搭載されたカメラによって火星上から観測した結果を報告する。これらは、太陽面を通過する衛星を他の惑星表面から直接とらえた最初の画像観測である。 Full Text PDF 目次へ戻る