Letter 医学:全体的なヒストン修飾パターンで前立腺癌再発のリスクを予測する 2005年6月30日 Nature 435, 7046 doi: 10.1038/nature03672 癌細胞でヒストンの翻訳後修飾に異常が認められることは報告されているが、それらは個別のプロモーターの解析結果であり、臨床転帰との関連は明らかになっていない。プロモーターを標的とする以外にも、リジンやアルギニン残基のアセチル化やメチル化といったヒストンの修飾がタンパク質コード領域や非プロモーター配列などの広範なクロマチン領域でみられることが分かっており、全体的なヒストン修飾と呼ばれている。本論文で我々は、個々のヒストン修飾の全体的レベルの変化も癌と関連していること、そしてこうした変化によって臨床転帰を予測しうることを報告する。摘出された原発性の前立腺組織検体を用いて免疫組織化学的染色を行い、ヒストンH3およびH4の5つのアミノ酸残基にアセチル化とジメチル化を受けている細胞の割合を調べた。ヒストン修飾パターンの類似性に基づいて検体を分類したところ、低悪性度の前立腺癌患者において再発リスクの明確に異なる2つの疾病サブタイプが同定された。これらのヒストン修飾のパターンは、腫瘍のステージ、術前の前立腺特異的抗原レベル、皮膜への浸潤から独立した転帰予測因子であった。したがって、特定のヒストン修飾の広範な変化は、これまで知られていなかった前立腺癌の分子レベルの不均一性を示しており、癌患者にみられる多様な臨床病態の原因になっている可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る