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生理:線虫と酵母におけるキュリンのNedd化には、よく保存されたタンパク質DCN-1/Dcn1pが必要である

Nature 435, 7046 doi: 10.1038/nature03662

SCF型のE3ユビキチンリガーゼは、標的タンパク質のポリユビキチン化とそれに続く26Sプロテアソームによる分解に必要な多タンパク質複合体である。キュリンは、RING-フィンガータンパク質Rbx1とともにこのリガーゼの触媒中心を構成し、基質認識モジュールを移動させる。ユビキチンに似た分子Nedd8によるキュリンの共有結合性の修飾(Nedd化:neddylation)と、COP9シグナロソームによるNedd8の除去(脱Nedd化:deneddylation)のサイクルがE3リガーゼ活性を正に調節する。本論文では、線虫Caenorhabditis elegansと酵母Saccharomyces cerevisiaeにおけるキュリンのNedd化に必要な、広く保存されたタンパク質の同定と分析について報告する。線虫のDCN-1と酵母のDcn1p(defective in cullin neddylationの略称)に特徴的なのは、新規なUBA様ユビキチン結合ドメインと、機能のわからないDUF298ドメインである。DCN-1とDcn1pは線虫でも酵母でも直接Nedd8と結合して、これによりキュリンとの間に物理的連結が生じるが、このことはDCN-1とDcn1p がNedd化に必要なこととよく一致する。さらに酵母でDcn1pを過剰に発現させると、Nedd8で修飾されたキュリンCdc53pが蓄積する。in vivoin vitroの実験により、Dcn1pはCOP9シグナロソームによるCdc53pの脱Nedd化を阻害しないが、Nedd化反応の速度を大幅に上昇させることがわかった。

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