Letter 細胞:エフリンシグナル伝達は神経前駆細胞のアポトーシスを調節することで脳の大きさを制御する 2005年6月30日 Nature 435, 7046 doi: 10.1038/nature03651 脳の大きさを制御する機構には、神経前駆細胞の増殖、分化、生存、移動の調節などがある。本論文では、エフリンA/EphA受容体によるシグナル伝達が、皮質前駆細胞のアポトーシスを調節することでマウス大脳皮質の大きさの制御に重要な役割を果たしていることを報告する。EphA7を発現している初期皮質前駆細胞でエフリンA5を異所的に発現させてEphA受容体の働きをin vivoで増強すると、神経前駆細胞のアポトーシスが一過的に増大し、結果的に前駆細胞が早く枯渇して皮質の大きさが著しく縮小した。in vitroでばらばらな状態の培養皮質前駆細胞を可溶性エフリンAリガンドで処理したところ、カスパーゼ-3に依存する速やかな細胞死が同様に誘導されたことから、エフリン/Ephシグナル伝達がアポトーシスカスケードに直接作用することが確認された。また逆に、EphA7をコードする遺伝子を破壊してEphAの機能をin vivoで喪失させると、前脳の神経前駆細胞で通常みられるアポトーシスが減少し、結果として皮質の大きさが拡大し、極端な場合には脳ヘルニアになるほどの前脳の過形成が認められた。以上の結果を総合すると、エフリン/Ephシグナル伝達はアポトーシスの生理学的な誘因であり、このアポトーシスによって神経前駆細胞数が調節され脳の大きさと形状が変化しうることがわかる。 Full Text PDF 目次へ戻る