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生理:ストレス誘発性痛覚消失を引き起こす内在性カンナビノイド

Nature 435, 7045 doi: 10.1038/nature03658

急性のストレスは 、オピオイドあるいは非オピオイドが関係する脳内経路を活性化することによって痛みを抑制する。今回我々は、ストレス誘発性痛覚消失と呼ばれているオピオイドに無関係な痛覚消失が、脳内での内在性マリファナ類似化合物(カンナビノイド)の放出を介して起こることを明らかにする。中脳水道周囲灰白質のカンナビノイドCB1受容体を遮断すると、非オピオイド性のストレス誘発性痛覚消失が起こらなくなる。この領域ではストレスによって、脂質である2-アラキドノイルグリセロール(2-AG)とアナンダミドという2種類の内在性カンナビノイドが迅速に生じる。モノアシルグリセロールリパーゼは2-AGを不活性化する酵素だが、この酵素の新たに開発された阻害剤は2-AG濃度を選択的に上昇させ、中脳水道周囲灰白質に注射すると、CB1に依存してストレス誘発性痛覚消失を促進する。アナンダミド不活性化酵素である脂肪酸アミド加水分解酵素の阻害剤も、選択的にアナンダミド濃度を上昇させ、同様な促進作用を示す。これらの結果は、中脳水道周囲灰白質において2-AGとアナンダミドが協調的に放出されることが、非オピオイド性のストレス誘発性痛覚消失を引き起こしている可能性を示している。また今回の研究では、モノアシルグリセロールリパーゼがこれまで知られていなかった治療標的になることが明らかになった。

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