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動物生理:ハチドリが行うホバリングの空気力学

Nature 435, 7045 doi: 10.1038/nature03647

ハチドリ属(Trochilidae)は昆虫と全く異なる筋骨格を持っているにもかかわらず、同様の空気力学的メカニズムを用いていると、広く考えられてきた。ハチドリの翼の振り上げと打ち下ろしの運動学的対称性からは、同程度の大きさの昆虫に見られるのと同様に、1回の羽ばたきサイクルの半分が均等にホバリング時の体重支持に寄与しているという仮定が導かれる。この仮定は、広く利用されている空気力学モデルやさまざまな実験で、明示するしないにかかわらず一般的に使われてきた。今回我々は、デジタル粒子画像流速計測法を用いて、アカフトオハチドリ(Selasphorus rufus)のホバリング軌跡を計測したところ、非対称の力が働いていることがわかった。つまりハチドリは、体重支持のための力の75%を翼の打ち下ろしの際に生み出しているが、振り上げの際には25%しか生み出していなかった。この非対称性はある程度、振り上げ時に上反りになった翼の反転に起因していると考えられる。また、ハチドリの翼の軌跡から、打ち下ろし時に翼の先端で空気の渦が生じていることもわかった。この渦は、昆虫のホバリングに典型的な基本メカニズムを利用することができるような、十分に低いレイノルズ数で作用している可能性がある。ハチドリのホバリングは昆虫のそれと似通っているが、鳥という本質的に異なる体の構造からくる効果のために、独特なものとなっている。

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