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神経:L1のレトロ転位が関与するニューロン前駆細胞の体細胞性モザイク現象

Nature 435, 7044 doi: 10.1038/nature03663

ニューロンの体細胞多様性を生み出す機構の解明は、脳の構成と機能の個体差を理解するうえで重要な課題となっている。今回我々は、遺伝子操作したヒトのLINE-1因子(long interspersed nuclear element-1:広範囲散在反復配列、L1ともいう)が、ラット海馬の神経幹細胞由来のニューロン前駆細胞中でレトロ転位しうることを明らかにする。レトロ転位が起こった結果、ニューロン遺伝子の発現が変化することがあり、それによりin vitroでのニューロンの運命も変わる可能性がある。また、トランスジェニックマウスでのヒトL1のレトロ転位が、ニューロンの体細胞性モザイク現象に結びつくこともわかった。この作用の分子機構はおそらくSox2によるものである。なぜなら、ニューロンの分化の初期段階におけるSox2の発現の低下とL1の転写とレトロ転位の増加との間に相関がみられるからである。したがって、これらのデータは、ニューロンのゲノムは固定的なものではなくて、de novoのL1のレトロ転位によって一部がモザイクになっている可能性があることを示している。

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