Letter 宇宙:火星のオーロラの発見 2005年6月9日 Nature 435, 7043 doi: 10.1038/nature03603 地球の高緯度地方では、荷電粒子(電子、陽子またはイオン)が磁力線に沿って降下するとき、これらの粒子と中性の上層大気との相互作用による現象であるオーロラがしばしば壮観を呈することがある。もっと一般的には、惑星大気におけるオーロラの放射は、「光電子を除く粒子の衝突の結果」とされている。オーロラの活動は磁場をもつ4つの巨大惑星すべて(木星、土星、天王星、および海王星)で見られ、さらに磁場をもたない金星でも同様に発見されている。金星の夜側では130.4 nmおよび135.6 nmの酸素原子の放射が、大きさと強度がさまざまな明るい斑として見られ、それらは300 eV未満のエネルギーをもつ電子によって発生していると考えられている。本論文では、マーズ・エクスプレスに搭載された紫外線分光計SPICAMによる、火星大気中のオーロラの発見について報告する。このオーロラは、これまで太陽系で観測されたことのない別種のオーロラであり、磁極付近の固有磁力線の根元に位置する地球や巨大惑星のオーロラとは異なり、また時々金星の面全体に広がる拡散オーロラとも違っている。火星のオーロラは、火星の地殻内における磁場異常に支配される、非常に高密度で局所的な放射である。 Full Text PDF 目次へ戻る