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行動生理:オキシトシンはヒトの信頼を増大させる

Nature 435, 7042 doi: 10.1038/nature03701

信頼は人間の社会に広くゆきわたっている。友情や愛情、家族や組織に信頼はなくてはならないものであり、経済的交換や政治に重要な役割を果たしている。交易の相手との間に信頼がなければ、市場取引は破たんする。国家の機関や指導者に信頼が欠如していれば、政治の合法性は崩れる。最近の証拠から、信頼が経済的、政治的、社会的な成功に寄与していることが示されている。しかし、人間同士の信頼の生物学的基盤についてはほとんどわかっていない。ヒト以外の哺乳類では、神経ペプチドであるオキシトシンが社会的愛着や親和に重要な役割を果たすが、今回我々は、このオキシトシンの鼻腔内投与によって人間同士の信頼がおおいに高まり、社会的相互作用から得られる利益が非常に大きくなることを示す。また、オキシトシンによって信頼が高まるのは、リスクを負おうとする気持ちが全般的に高まるからではないとわかった。むしろオキシトシンは、個人間の相互作用によって生じる社会的リスクを受け入れようとする個人の気持ちに特異的に影響する。これらの研究結果は、オキシトシンが向社会的な接近行動の生物学的基盤として不可欠な役割を持つことを示す動物での研究と一致する。

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