Letter 地球:核−マントル境界に存在するプリューム基底部の地震学的制約条件 2005年6月2日 Nature 435, 7042 doi: 10.1038/nature03620 地球の核−マントル境界はとけた外核とケイ酸塩のマントルとを隔てる単純な境界という以上の、はるかに複雑な構造をしていることが最近の地震学的発見から示されている。それどころか、核−マントル境界の複雑性は 、おそらく地球の地殻の複雑性に匹敵するらしい。マントル最下部には地震波速度が少なくとも10%減少する領域が存在することが観測されているが、このような領域が全球規模で存在しているわけではないようだ。本論文では、厚さ8.5 kmで約50 kmの広がりを持つ、密度の高い部分的にとけた物質でできた袋状の領域がオーストラリア東部の核−マントル境界に存在する確かな証拠を提示する。反射波であるScP波に見られる異常な先駆波を群列観測網により解析した結果、縦波速度と横波速度はそれぞれ8%と25%減少し、部分溶融した粒団の密度は10%増加していることが明らかになった。地震学的データはマントル底部が純粋な溶融体からできているという考えとは矛盾しており、層内で密度の高い溶融体が下向きに浸透していくことを妨げる仕組みを考えなくてはならない。これは、その上にある最下部マントルの異常に高温な領域から溶融体が排出された後に、累積結晶が成長したことで溶融体が取り込まれて生じる可能性がある。このようなマグマの進化とその結果の積層構造はその上のマントル中の熱的不安定と関連があると思われ、したがって上昇するプリュームの基底部を示している可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る