Letter 免疫:SV40によってコードされるマイクロRNAはウイルス遺伝子発現を調節し細胞傷害性T細胞に対する感受性を低下させる 2005年6月2日 Nature 435, 7042 doi: 10.1038/nature03576 マイクロRNA(miRNA)は低分子のRNA(約22ヌクレオチド)であり、下等な生物では、通常、標的mRNAと不完全な2本鎖を形成することによって、発生や遺伝子発現で重要な調節的役割を果たしている。miRNAは哺乳類細胞およびエプスタイン・バーウイルス(EBV)感染でも報告されているが、そうしたmiRNAの大部分は機能がわかっていない。EBV miRNAの1つは、ウイルスmRNAのプロセシングを変化させた可能性があるが、標的となった機能を補うことができる他の転写産物が存在するため、この現象の調節における重要性は確かではない。本論文では、サルウイルス40(SV40)によってコードされるmiRNAを同定し、ウイルス感染におけるその機能的重要性を明らかにする。SVmiRNAは感染後期に蓄積するが、初期のウイルスmRNAと完全に相補的であり、そうしたmRNAを分解の標的とする。これによりウイルスT抗原の発現が低下するが、感染性ウイルスの産生は、SVmiRNAを欠失する変異株によってつくられる感染性ウイルスと比べて減少しない。しかし、野生型SV40に感染した細胞は、細胞傷害性T細胞による溶解に対して変異株よりも感受性が低く、このような細胞によるサイトカイン産生の誘導が弱い。したがってウイルスの進化は、miRNA経路を巧みに利用して、感染の成功率を上げるエフェクターを生み出してきたのである。 Full Text PDF 目次へ戻る