Article 細胞:選択的に発現する遺伝子座間の染色体間協調 2005年6月2日 Nature 435, 7042 doi: 10.1038/nature03574 サイトカインであるインターフェロンγ(IFN-γ)およびインターロイキン-4(IL-4)によってそれぞれ定義されるヘルパーT細胞1(TH1)および2(TH2)経路は、2種類の異なるCD4+T細胞運命を構成し、宿主の免疫機構に機能的影響を与える。これらのサイトカイン遺伝子は、異なる染色体上にコードされている。最近報告されたTH2の遺伝子座調節領域(LCR)は、LCRとサイトカイン遺伝子Il4、Il5およびIl13のプロモーター領域が作る複合体に加わることにより、TH2のサイトカイン遺伝子を協調的に調節する。この領域は120キロベースに及ぶが、これらのエレメントは核内で安定したクロマチン構造をとって、近接して並んでいる。この染色体内相互作用に加えて、本論文では、10番染色体上に存在するIFN-γ遺伝子のプロモーター領域と11番染色体上に存在するTH2サイトカイン遺伝子座の調節領域との染色体間相互作用について報告する。TH2のLCRを構成するDNアーゼI高感受性領域が、これらの染色体間相互作用を発生の過程で調節する。さらに、相互作用しあうクロマチン間には細胞の種類に特異的な動的相互作用があり、そのために、遺伝子が活性化すると染色体内での相互作用によって染色体間相互作用がなくなっているようにみえる。したがって、今回の結果は、異なる染色体上に存在する真核生物の遺伝子が、遺伝子発現を協調させる機能を持つと思われる相互作用を介して、核内で物理的に連携していることを示す一例である。 Full Text PDF 目次へ戻る