Article 生物工学:人工ジンクフィンガーをもつヌクレアーゼを用いた高効率の内因性ヒト遺伝子修正 2005年6月2日 Nature 435, 7042 doi: 10.1038/nature03556 ヒトゲノムのin vivoにおける永続的な修飾は、ヒト細胞における相同組換えの頻度が低いために実現が困難である。このため生化学研究、および安全で有効な遺伝子治療の進展が阻まれている。本論文では、C2H2ジンクフィンガータンパク質によるDNAの認識と、相同性によって誘導されるDNA二本鎖切断の修復という2つの基本的な生物学的過程を利用した汎用的な解決法について報告する。特定の染色体部位を認識するように設計したジンクフィンガータンパク質とヌクレアーゼドメインを融合した人工ジンクフィンガーヌクレアーゼによって二本鎖切断を誘導すると、染色体と染色体外DNA供与体との間の相同組換えが促されることにより、特定の配列を変化させることができる。本論文では、X連鎖重症複合免疫不全症(SCID)の原因となるIL2Rγ遺伝子上の変異を標的とするように作製したジンクフィンガーヌクレアーゼを用いて、18%を超える遺伝子修飾型ヒト細胞が選択なしに得られたことを報告する。注目すべきことに約7%の細胞で、両X染色体上に目的としていた遺伝的修飾が認められ、細胞の遺伝子型はmRNAおよびタンパク質のレベルで正確に反映されていた。今回、ヒトのT細胞で組換え頻度が比較的高いことがわかったことから、ジンクフィンガーヌクレアーゼを疾患の治療に用いることも可能になるかもしれない。 Full Text PDF 目次へ戻る