Letter 医学:血管の呼吸の脱共役が血圧上昇とアテローム性動脈硬化を促進する 2005年5月26日 Nature 435, 7041 doi: 10.1038/nature03527 低密度リポタンパク質コレステロールのレベルが高くない非喫煙者にもしばしばアテローム性動脈硬化症がみられ、またこれまでにマウスで見つかっているアテローム性動脈硬化症の遺伝子座のほとんどがアテローム性動脈硬化症の全身性危険因子に影響を及ぼさないことから、まだ同定されていない機構が血管疾患の発症に関与していると考えられる。動脈壁では、呼吸と酸化的リン酸化の脱共役などの局所的な代謝の乱れが起こる。この脱共役は、あらゆる細胞である程度起こるが、アテローム性動脈硬化を生じやすい血管壁の特徴である可能性もある。血管での非効率的な代謝が血管疾患の発生を促すという仮説を検証するため、デオキシサイクリンで誘導すると動脈壁で脱共役タンパク質-1(UCP1)を発現するマウスを作成した。本論文では、大動脈平滑筋細胞でUCP1 を発現させると高血圧になり、コレステロールレベルは変化しないのに食事性の動脈硬化が亢進することを明らかにする。また、UCP1の発現はスーパーオキシドの生産を増加させ、一酸化窒素が利用しにくくなるが、これは酸化ストレス状態の証拠である。これらの結果は、血管壁における非効率的な代謝が血管疾患の原因になりうることを証明している。 Full Text PDF 目次へ戻る