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細胞:ペルオキシレドキシンIIによるPDGF情報伝達と血管リモデリングの制御

Nature 435, 7040 doi: 10.1038/nature03587

血小板由来増殖因子(PDGF)は強力な分裂促進因子であるとともに遊走因子であり、細胞内でのH2O2の生産を介してさまざまなシグナル伝達タンパク質のチロシンリン酸化を調節している。哺乳類の2-CysペルオキシレドキシンII型(Prx II:遺伝子はPrdx2)は、PDGFや上皮増殖因子といった増殖因子類に応答して細胞内で生産されるH2O2を除去する、細胞に備わったペルオキシダーゼである。しかし、これが成長因子シグナル伝達にどのようにかかわるかはほとんどわかっていない。本論文では、Prx IIがPDGFシグナル伝達の負の調節因子であることを明らかにする。Prx IIがないと、H2O2の生産が増加し、PDGF受容体(PDGFR)やホスホリパーゼCγ1の活性化が促進され、PDGFに応答した細胞の増殖や移動が促進される。このような変化は、野生型のPrx IIを発現させると抑えられるが、不活性な変異Prx IIでは抑えられない。特に、Prx IIはPDGFが刺激されるとPDGFRのところへ誘導され、タンパク質チロシンホスファターゼの不活性化を抑制する。また一次培養細胞や、血管平滑筋細胞によるPDGFに依存した新生内膜肥厚などの動脈再狭窄マウスモデルにおいても、Prx IIはPDGFRの活性化を抑制する。これらの結果は、内因性のH2O2がPDGFシグナル伝達に局所的に働いていることを明らかにしており、心臓血管病におけるPrx IIの生物学的機能を示唆している。

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