Letter 細胞:ブレブ形成細胞に加わる静水圧の非平衡性 2005年5月19日 Nature 435, 7040 doi: 10.1038/nature03550 動物細胞に見られる突出運動性に関する現在のモデルでは、細胞骨格に基づく機構に焦点があてられ、局所的な突出はアクチンの生化学的活動の局所的調節によって生じると考えられている。植物および菌類では、細胞表面突出の原動力は静水圧である。動物細胞で静水圧によって局所的な突出を引き起こすためには、静水圧は局所的に調節されなければならないが、細胞質を非圧縮性で粘弾性の連続体または高粘性の液体とみなす現在のモデルでは、静水圧は本来瞬時に細胞全体で平衡化されなければならない。今回我々は、細胞のブレブ(細胞表面の突出部)を細胞質の局所圧変化のレポーターとして用いた。細胞皮層を緩める薬剤でブレブ形成細胞を局所的に処理して、片側に加わる圧力を消失させても、非処理側におけるブレブの形成は継続した。この結果は、約10μmおよび10秒のスケールでは圧力が平衡化しないことを意味する。圧力の局在化は、細胞質は収縮性と弾力性に富む編目構造になっており、それに細胞質ゾルが染みこんでいると考えれば説明できる。この編目構造に対する流動体の相対的な動きにより、空間的に不均一な一過性の変化が圧力場に生じるが、これは多孔質弾性の考え方で説明できる。 Full Text PDF 目次へ戻る