Article 生物物理:キネシン歩行の力学 2005年5月19日 Nature 435, 7040 doi: 10.1038/nature03528 キネシンは歩行する分子機械で、微小管に沿って決まった方向に輸送物質を引っ張って運ぶことによって細胞を組織化する。この方向性をもった歩行を推進する物理的機構はまだはっきり解明されていない。今回我々は、後ろ向きの非常に大きな負荷をかけると、キネシンに本来備わる歩行の方向性が逆転でき、このモータータンパク質がATPに依存した後ろ向きの連続移動というこれまで報告されたことのない様式で後方へ持続的に歩くことを明らかにした。歩幅8 nmの前向き歩行と後ろ向き歩行はともにマイクロ秒の時間スケールで起こること、またこの時間スケールでは前向きと後ろ向きの両方でサブステップは見られないことがわかった。このデータから、歩行の基盤となる機構、つまり微小管に結合した頭部にATPが結合すると、もう1つの頭部が次の結合部位を拡散によって探すが、その結果はかけた負荷によって偏る場合があるという機構が考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る